ほとんど忘れてしまっていて、台本を読んだだけでは感覚を思い出せず、ちょっと不安混じりのスタートでした。でも、『インドだぜ! ジョニー・ブラボー』のDVDを再生して、ジョニーの絵とオリジナルの声優さんの声にふれた途端、「ああ、そうだそうだ。こうやって演じていたっけ」と。そこから少しずつ思い出せました。
歌うのはインド系のキャラクターばかりでしたね。
みなさんは僕より早めにスタジオに入って歌録りをしたそうなので、早くみなさんの歌が聴きたいです。逆に、その分、僕はゆっくりと入らせていただけて。そこだけでも余裕を感じられてよかったです。
歌以外が大変でしたからね。しゃべりっぱなしで。
今回は特に、反射神経を試されているような気がしました(笑)。
成田さんは、早口言葉もありましたね。
そうなんです! あれがなぜアフレコの最後の最後にくるのかと……。今回は、この早口言葉で結構苦戦してしまいました……。
ジョニーは見た目はマッチョですけど、中身は正直で、純粋で、好奇心旺盛な子供のような男性なんです。そういう可愛らしい部分が魅力だと思うので、そこが伝わればいいなと思いながらやっています。
ナルシストのアメリカ人ジョニーに対し、ジギーはナルシストのインド人の大スター。大スターであることに起因する、見栄っ張り、ワガママ、負けん気の強さが出ればいいなと思いました。終盤は勧善懲悪にのっとって行動するので、そこはストレートにかっこよくすることを心がけました。
楽しませていただきました(笑)。でも、本音を言うと、ジョニーのことで精一杯で、周りの方を見る余裕はあまりなかったです。なんとかみんなの足をひっぱらないように、作品の雰囲気だけでも保ちたいと思いながらやりました。
この作品の世界観を一番わかっているのは彼ですから、スタジオでも中心になってみんなをうまく引っ張っていってくれました。
ありがとうございます。
ボリウッドの監督やプロデューサーの描かれ方が腹黒くて、こういうイメージは、万国共通なんだなと思いました(笑)。
僕はやっぱり、ジョニーのママが大好きなんです。ジョニーとママの関係はとても大事なので、今回の作品にもママが登場してくれてホッとしました。
今回、この作品を初めて観たとき、役の準備とはいえ、普通に楽しめたんです。それは、子供だましではない、大人の鑑賞にたえうるだけの内容と絵のクオリティ、音楽の魅力があるからだと思います。だから、無邪気に一本調子にならないで、人間の嫌な部分、弱い部分、醜(みにく)い部分が少し見えてもいいのかもしれないな、という演技プランになりました。このテンポ感は今の時代に合っていると思うので、ぜひご覧いただきたいと思います。